神河町フィールドワークを行いました(2014年6月21日)

地域課題を見て、歩き、知る

いよいよ今日から、2014年度の「コミュニティ・プランナー(CP)概論」の授業が本格的にスタート。
実践を重視するCPプログラム、さっそくフィールドワークからスタートです。

協定先である神河町に赴き、神河町の人的資源や、自然環境、文化、経済といった地域の状況に目で見て触れました。また、神河町が現在抱えている課題について、地元の方々との交流を通して聞き取りを行いました。

砥峰高原:西日本最大級のススキ草原

バスの車窓から外を眺めること、およそ1時間。神河町に到着しました。

最初に向かったのは砥峰(とのみね)高原です。約90haに及んでススキの草原が広がる西日本有数の高原で、神河町の代表的な観光資源となっています。映画「ノルウェイの森」や、大河ドラマ「平清盛」のロケ地にもなっており、知る人ぞ知るスポットです。
峰山・雪彦・生野高原とともに県立自然公園に指定されており、毎年3月に山焼き、9月に観月会、10月にススキまつりなどのイベントが開催されています。

ランチは、ここでお弁当をいただきました。神河町「川の道」で販売されている不動巻のお弁当は、ボリューム満点だけどとってもヘルシー。不動巻に、めはり寿司、手作りコロッケ、サルトリイバラの葉でつつまれた柏餅・・・。これだけついて、600円です。
手作りゆえのシンプルながら温かい味で、とってもおいしくいただきました。

広大な土地を、少しひんやりとした気持ちの良い風が吹き、空気は澄んでいて美味しい。砥峰高原は、散歩するだけで気持ちが洗われるような場所で、ランチを終えた学生たちも思い思いに散策を楽しんでいました。

しかし、砥峰高原にも課題があるようです。訪れる人は多いのですが、砥峰高原だけに立ち寄り、神河町の街中に中々寄っていってもらえないとのこと。せっかくの観光資源を活用したまちづくりの課題が浮かび上がりました。

 

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砥峰高原へ

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手づくり不動巻弁当 おいしい!

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手づくり不動巻弁当 美味しい!

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ランチ後の散策

中村・粟賀町~銀の馬車道街道

銀の馬車道交流館
続いて向かったのは、「銀の馬車道交流館」。
「銀の馬車道」とは、生野銀山と飾磨津(現在の姫路港)の間・約49Kmを結ぶ馬車専用道路としてつくられた道で、当時は「生野銀山道」や「生野鉱山寮馬車道」と呼ばれていました。日本最初の高速道路というべき馬車道専用道路であったのです。

明治の当時、政府は重要な財源であった銀の増産政策を打ち出し、生野銀山は国営化されました。生野銀山は、近くに城下町・姫路や飾磨津という大きな流通拠点があり、またそれらと生野をつなぐ市川沿いの低地地形も備わっているなど地理的条件にも恵まれ、一時は活発な生産活動が行われました。

しかし、明治28年には姫路~生野間に播但鉄道(現JR播但線)が開通し、飾磨津から生野銀山が鉄道でつながれました。
鉄道の開通ととも馬車道はその役割を小さくし、大正9年には廃止されました。その後は改修や路線変更工事を経ながら、今も大部分が県道や国道などとして使用されています。
かつては銀生産の中心であった銀の馬車道。これを現代でも活性化させ、まちづくりに活かそうと、パンフレットの作成や名産物販売等の取り組みが行われています。そうした取り組みなどについて、ボランティアガイドの宮長様よりご説明を頂きました。

そこから中村・粟賀町の周辺散策へ。
中村・粟賀町は今年4月、銀の馬車道街道の中でも、往時の町並みが連続して残されている有数の地域として、兵庫県景観形成条例の歴史的景観形成地区として指定されました。
これを機に今後の地域活性化を図りたいと意図されていらっしゃいます。

活性化のヒントを見つけるため、、兵庫県立大学・住宅研究室が作成したを片手に、街道沿いを散策しました。
古民家などの古いまちなみの特徴をまちづくりにどう生かしていくか。まちににぎわいをもたすために、新旧のイベントをどう企画していくか。
今はほとんど人通りがなく閑散としていますが、「廃校になった小学校の活用方法も考えてほしい」との住民の方の意見も聞かれるなど、活性化への期待は高まっているようです。

若い学生の柔軟な発想力で、アイディアを生み出していきたいですね。

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中村・粟賀町の散策

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活性化のアイディアは浮かぶでしょうか?

新田ふるさと村~山村留学やまびこ学園

中村・粟賀町を発ち、移動の車中から「新田ふるさと村」を見学しました。
ここは千ヶ峰のふもとにある標高500mのリゾート地で、ゆったりと過ごせるログコテージや、杉の木の形をした「杉の子キャビン」、満点の星を見渡せるキャンプ場など、自然を感じられる宿泊施設が充実しています。
来客に人気が高く、土日はキャンセル待ちが出るほどとのこと。
観光交流の拠点として、可能性が高い場所のひとつです。

それから向かったのは、「地域交流センター やまびこ学園」。
まず、センター副所長の児島さんより、やまびこ学園の概要についてご説明いただきました。

やまびこ学園は、旧越知谷第二小学校で行われていた山村留学を引き継ぐかたちで開設されました。
山村留学制度は、一定期間、都市部に住む子どもの移住を受け入れるものです。神河町に山村留学する子どもたちは、1年間親元を離れて神河町へ転入し、1ヵ月の2/3をセンターで、残りの1/3を受け入れ農家で暮らしながら、地元の越知谷小学校へ通います。現在の留学生は4名とのことでした。
また、長期留学のみならず、夏休みを利用して行う2泊3日から12泊13日の短期留学もあります。これらは大変人気で、枠を超える応募がある年もあるとのことでした。

神河町の豊かな自然と農村の生活文化を経験してもらうことで、将来を担う子どもの生きる力を育み、さらには農村と都市の交流も活発化することが目指されています。
環境教育・子育て・地域活性化といったキーワードがクロスする様々な可能性のある取り組みで、学生たちも興味を惹かれたようでした。

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カラフルな看板

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やまびこ学園でお話を伺う

ふれあい喫茶「ほっと」

学生からの質問
やまびこ学園では、山村留学制度のみならず、ふれあい喫茶「ほっと」についてもお話をいただきました。

「ほっと」は、旧施設を町が買い上げ、地元のボランティアスタッフ30名によって運営がなされています。年間1200~1300人が利用し、地元のふれあいの拠点となっています。
開店は週2日の10:00~12:00のみ。ボランティアスタッフの都合がつかない時には、町内放送で臨時休業を町内に伝えます。

ほっとの取り組みの背景には、日本各地の地域社会が抱える深刻な問題があります。特に農村部で少子高齢化が進み、農作業に携わる人と時間が減るなか、井戸端会議のような日常的なコミュニケーションの場が減っていっています。そうした中で、神河町でも孤独死が発生しました。
ご年配の方々は、一人で外出する機会も少ない場合が多く、人が集まるには何らかのきっかけが必要です。そういった中、200円でコーヒーを飲めて、楽しくおしゃべりしながら過ごせる週2日の「ほっと」は、憩いの場として多く利用されています。
単なる喫茶ではなく、人々のつながりを保つ「場」なのです。

また、神河町でイベントが行われる際には物産品の販売がなされたりなど、様々な形で活用されています。

学生からは、「ほっと」を維持管理していくうえでの課題などについて質問があがりました。ボランティアスタッフに頼りながら、少ない利益の中でやりくりするのには、多少なりとも困難があるようでした。

その後、実際に「ほっと」の見学へ。残念ながら喫茶は営業しておらず、コーヒーをいただくことはできませんでしたが、お店の内装はとても温かで素敵な素朴さがありました。
高校生が書いた壁画、朝顔のグリーンカーテン、住民の手作りグッズなどなど、手づくり感満載の店内。まさに「ほっと」できる場だと感じられました。

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喫茶ほっとの外観

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「ほっと」を見学させていただきました

千ヶ峰南山名水~川の駅

千ヶ峰南山名水
続いて向かったのは、千ヶ峰南山名水の水汲み場。
地下162mから汲み上げられ、殺菌、濾過された水が、20リットル100円で販売されています。この水販売は人気が高く、休みの日には並ばないといけない場合もあるそうです。

ここで名水を試飲させていただき、神河町名物のゆずを使った「ゆずわらびもち」も試食させていただきました。ゆずわらびもちは学生や教職員にとても好評で、店内で売られていたゆずわらびもちは完売!2つ、3つと同時購入する様子も見られました。
名水やゆずなど、地元食材を活かした地域活性化もも、これからますます期待が高まります。

その後、アジサイの美しく咲いた川沿いを歩きながら地元材で建造されている越知谷小学校へ、そして川の駅までを散策。川の駅で、全員で記念撮影を行いました。

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美味しい「ゆずわらびもち」

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あじさい道を通って川の駅へ

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川沿いの道を歩く

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集合写真