CPプログラムを3年間受講した学生からの声です。

井上 誓子 さん(環境人間学部3回生)

CPプログラムについて

CPプログラムの魅力について語る井上さん

 CPプログラムは、地域の歴史・文化・資源を活かしたコミュニティづくりや、地域の人びとと共に課題解決ができる人材の育成を目指したプログラムです。

 このプログラムは3年に分かれていて、1年目はフィールドとなる地域について「知る」、2年目はその地域が抱える課題の解決策について「考える」、3年目は、1年目・2年目を踏まえて考えたプロジェクトを実際に「やってみる」という、それぞれの軸に沿って進めていくプログラムになっています。

  私が実際に関わったプロジェクトは、神河町の寺前駅前商店会のコミュニティ・スペースの在り方に関する提案です。神河町に何度も実際に足を運び、地域住民の方々やステークホルダーの方々へヒアリングを行ったり、実地調査を行ったりしました。また、納得のいくプロジェクト案を完成させるため、グループでの話し合いも何度も行いました。

  このコミュニティ・スペースに関して、当初は、敷地のほとんどを「カフェスペース」が占める施設を作る予定でした。そして、この施設の建設に当たっては国からもすでに補助金が下りており、このような形で建設することはほぼ決定事項でした。しかし、私たちが地元住民の方々へヒアリングをした結果、「もっと気軽に交流できるスペースが欲しい」という声が多かったため、私たちはあえてその決定事項に反する形で、「交流に軸を置いた空間」を提案することにしました。屋内外に交流スペースを設け、地元住民の方々が気軽に集うことのできる「みんなの家」を提案しました。

CPプログラムを受講して得たもの

 私がCPプログラムを3年間受講して得たものは、大きく分けて2つあります。

 まず1つ目は、「コミュニケーションの方法」です。

 CPプログラムでは、グループワークを行ったり、地域の方にヒアリングを行ったりする機会が多くあり、その中で、コミュニケーション能力を自然に高めることが出来ました。具体的には、「相手の話をしっかり聞く姿勢」・「相手の意見を尊重する姿勢」・「自分の意見をまとめる力」・「自分の意見を分かりやすく相手に伝える力」を身につけることが出来ました。一見当たり前のように思えるこれらの能力や姿勢ですが、メンバーとの信頼関係を築いたり、地域の方の想いを正確に把握したりするために、とても大切なものだと感じました。

  また、先ほども述べましたように、地域の方々の考えと全く異なる提案をするとき、言葉を選び、慎重に伝えなければいけない場面がありました。「地域の方々の意見や想いを尊重しつつ、自分たちの意見もしっかり伝える」というのは難しいことでしたが、今まで自分がCPプログラムの中で培ってきたコミュニケーションスキルを活かせる場面だったと思います。

  そして、このような経験から、私は「コミュニケーション」や「言葉」に興味を持ち、今は「メディア・ディスコース分析」という、言葉が社会にどのような影響を与えているのか、また、社会が言葉に与える影響にはどのようなものがあるのか、ということを研究するゼミに所属しています。 CPプログラムを通して得たこれらのコミュニケーションスキルは、社会に出てからもきっと役立つ能力だと確信しています。

 2つ目は、「『提案する』という立場を経験することが出来た」ということです。

大学の他の講義でも、「プロジェクトを考えてみよう」という趣旨の講義を受けたことがありますが、プロジェクトを考え、形にし、地域の方に実際に「提案する」ということまでを経験できたのは、このCPプログラムだけです。

プロジェクト案を考える時、ただ、「こうしたらいいと思う」「こうなったらいいと思う」という理想像だけを掲げるのではなく、その中に、地域の状況や経済面など、あらゆる諸条件を考慮しなければいけないということ、また、プロジェクトを提案する以上、その提案には責任を持たなければいけないということを実感しました。

さらに、「みんなで1つのものを形にする」という経験では、1人での取り組みよりも、意見が衝突したり、そのために意見がまとまらなかったりと、いくらかの困難がありました。しかし、自分1人で考えるよりも、色んな考え方や視点が取り込まれるため、より深い提案を考えることが出来たと思います。

CPプログラムの魅力について

CPプログラムの魅力は、大きく3つあると思います。

まず、1つ目は、「学部や大学の垣根を超えた学習の場である」という点です。

自分とは異なる専門分野を学んでいる他学部の学生や、様々な専門分野の教授と交流できるのは、私にとってとても貴重な機会でした。他学部の学生と交流したり、宮城大学との合同発表会で、他大学の方の取り組みを知ったりすることができて、非常に刺激になりました。

2つ目は、「実践型のプログラム」であるという点です。

大学の他の講義でも、企画の方法論を学ぶ講義はありますが、単なる「理論」を学ぶに留まっており、「実践」を重視した講義はCPプログラムの魅力だと思います。また、実践型のプログラムを受講することで、自ら「何かをやってみよう」という意識、自主性が芽生えるようになりました。

先日、淡路島の福良で「福良んど」という、商店街全体をテーマパークにしたような催し物があり、このイベントでは、自分で企画・提案を行ったわけではないのですが、イベントのお手伝いという形で参加させていただきました。このように、CPプログラムを受講したことで、「地域に関わりたい」という想いが以前よりも強くなりました。

3つ目は、「地域に深く関わることができる」という点です。

ここ数年、「少子高齢化」や「シャッター商店街」という言葉をよく耳にします。そして、今まで、私はこれらの言葉に対してぼんやりとしたイメージは持っていたものの、それらの言葉が実際に地域のどのような状況を表しているのかを知りませんでした。しかし、地域の中に入り、お店もまばらで人通りがほとんどない商店街を実際に自分の目で見たり、地域住民の方々から直接お話を聞いたりすることで、「少子高齢化」や「シャッター商店街」という言葉の真の意味を体感することが出来ました。「百聞は一見に如かず」という言葉がありますが、まさにその通りだと思います。

3年間CPプログラムを受講して、この講義は地域の方々のご協力なしには成り立たない講義だと強く思いました。だから、学生を快く受け入れてくださった神河町の方々には改めて感謝したいと思います。

私達はCPプログラムの中で、あらかじめ用意された環境下で、ある程度与えられた課題をもとに、課題解決に向けたプロジェクト案を考え、提案しました。しかし、実際には、地域はもっと複雑で、様々な問題が混在しています。だから、コミュニティー・プランナーとして、そういった状況の中で、地域が抱えている課題を発見し、その解決策を考え、提案するという一連の取り組みに関わることは、非常に困難なことだと思います。しかし、私たちはこの3年間でコミュニティー・プランナーとしての基礎的な土台の部分を学びました。だから、CPプログラムを通して学んだことを活かし、これから、自分なりに「地域との関わり方」について模索していきたいと思っています。